自殺の9割は他殺である

自殺の9割は他殺である』 上野正彦著 株式会社カンゼン
元東京都監察医務院長・医学博士

自殺の9割は他殺であるとは、なんとも穏やかではないタイトルです。

最初にタイトルを見た時、私はてっきり自殺で処理された事件が、他殺によるものである。
そういう本だと思い、興味深く本を手にしました。

しかし、実際の内容は全く違ってました。

本で取り扱われている方々が、亡くなったのはやはり自殺が原因でした。

では、このタイトルの『自殺の9割は他殺である』この意味はなんだろうと
思い、自殺でなくなった方々の検死を、法医学者である著者の上野さんが、検死を行ったことで見えてきた情景を説明している本でした。

実際には、自ら命を断たれた方々が、他人による自殺への追い込みがあった為、やむなく自殺をしてしまったことが理由だったのです。
それを上野さんの検死によって明るみにした内容の本でした。

この本の中では、多くのいじめ問題を取り上げています。
こどもから高齢者まで、様々な状況で他人からの虐めが原因で、自殺に追い込まれたケースが解説されていて、非常に胸が苦しくなります。

上野正彦さんは、テレビで時折その名前を見ることがあったので、気になり著者の本を数冊読みました。
長い間法医学者として活躍されてきた方でなければ、知る事のない死因を見極める視点が、深く書かれています。

死因も含めて死について、様々な理解を深める事ができる本です。
死を取り扱っているだけに、面白いと感じてしまうのは、非常に不適切なのですが、実際とても良い本なのでここに紹介させて頂きます。

自殺の9割は他殺である 2万体の死体を検死した監察医の最後の提言 Kindle版

上野正彦さん原作のドラマがあるようです。
監察医・篠宮葉月 死体は語る
主演は高島礼子とのこと。
テレビ東京・BSジャパンで放送されたドラマのようで、2001年から2014年の間に15回分放送があったようです。
随分長い年数ですね。
既に放送が終わっておりますが、見てみたい気がします。

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